多分岐レーザー加工・極小マーキング用ビーム成形器
概要
Qiova社(フランス)は2011年に創設され、2014年に世界で初めて産業用向けの可変式レーザービーム成形器モジュールVULQ1を発売しました。
空間位相変調器を用いたマルチビーム生成により、単一ショットでの一括描画加工(スタンプ加工)を可能にします。単一ショットによるスタンプ加工は従来のガルバノスキャナーを用いた加工方法とは異なり、パルス幅と同程度の加工速さで超高速なマーキングを可能にします。

これにより、これまで困難でであったトレーサビリティを行うことができ、医薬品市場においては薬品の投与ミスや偽造防止や、電子分野では個々の電子部品の追跡によって、大量の危険物を含む電子廃棄物(EEW)のリサイクルが大幅に改善されることが期待されます。
また、レーザー光を均一の出力かつ平行に、それぞれ出力することができるため、より高速な材料の切断や割断加工を行うことができます。
QiOVA社はお客様との継続的な技術革新と親密な協力により、持続可能で相互に利益をもたらすビジネスを発展させるよう努力致します。
【応用例】
・小型部品へのトレーサビリティ
・美観を損ないたくない製品へのトレーサビリティ
・偽造の防止
・オンザフライマーキング
・高速切断及び割断
テスト加工を行っておりますので、ご遠慮なくお申し付けくださいませ。
ビーム成形機VULQ1
VULQ1は産業用のプログラム可能な高耐力レーザービーム成形器モジュールです。
QiOVAの特許取得済みのマルチビーム技術を搭載したVULQ1は、単一のガウスレーザービームから10、100、または1000個のビームレットを生成します。
ビームレットのエネルギーと位置は ソフトウェアによって動的に制御されます。
VULQ1にはカメラやガルバノスキャナーも搭載することが可能です。

また、レーザー光を多分岐にすることができるため、下記の図のような高速で柔軟なレーザー加工を行うこともできます。
①パラレルプロセシング

②ビーム分割数を制御

③パルスエネルギーを制御

下記はレーザー光を複数に分割にすることで、10倍のスループットを得た事例です。

ソフトウェア
ソフトウェアBeamForgeを用いて容易にビーム成形をすることができます。成形される像は分割されたビームをドットの集合体とみなして制御されます。

BeamForgeには0次光の影響やエネルギー分布の不均一性を解消する機能を備えております。

ナノ秒IRレーザーによるステンレス鋼の平行マイクロ穴あけの比較
上:0次の回折次数と不均一なエネルギー分布画像(SLMで一般的に生じる現象です。)
下:BeamForgeにおよる改善後の画像
下記の画面はQiova社のロゴをインポートし、ドットで構成された出力を左側画面に示した1例です。また、各ドット数のパワーバランスも容易に行うことができます。

加工例
スタンプマーキングは2Dバーコードマーキングの劇的な生産性の可能性を最大限に引き出します。 スタンプマーキングの速さはレーザーの繰り返し周波数に等しく、通常は1秒間に数10又は数100のマーキング数に達します。

繰り返し周波数30Hzで施されたアルミニウム缶のインラインマーキング(5mmサイズ16×16 Datamatrix)

ロール・ツー・ロール(1000Hz)による紙幣への偽造防止マーキング(500ミクロン16×16 Datamatrix)

PVCストローの識別マーキング(570μm, 77,000個/時)
最新情報
Qiova社はLaser World of Photonics 2019に出展し、さらに高出力フェムト秒レーザーメーカーであるFibercryst社のレーザーを用いて、超高速表面加工のデモンストレーションを行いました。